愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

本田一弘 『あらがね』より

さんぐわつじふいちにちにあらなくみちのくはサングワ ヅジフイヂ二ヂの儘なり 

東北(とうほぐ)は二千五百四十六(にせんごひゃくよんじふろぐ)のゆぐへふめいのいのちをさがす 

西原裕美 心待ち

降れば

これは新しい場所

小さな粒を初めて見て

一つ一つが

違っていることに気づいたの

 

重さも軽さも

落ちてく角度も

異なって

 

ずうっと待っていた

足がうずうずするぐらい

空ばかりを眺めて

手放したものと

手に入れたものを思いました。

 

西原裕美 アラマンダ

初めて

気が付いた

何年もあなたが

痩せた身体と

猫っ毛な髪のまま

ここに居たこと

 

・・・

 

誰もいないと思った世界に

あなたが居たんだって事実が

歯の奥が緩んで

初めて殺される夢を見なくなるぐらい

 

言いたくない

さようならを言って

まだ愛しているし、まだ愛していてくれている

それだけでは

朽ちていくだけで

 

確信を手に入れたから

気づけば

私は全てを手放しても立てることに

初めて笑顔になれた

地面や頭、それに空が一蹴されるほど

革命

 

・・・

 

夕焼けに

黄色い

アラマンダ

咲き誇っていた