愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2022-06-05から1日間の記事一覧

じゃがいもの花

日の幹に触るる人見てあたたかし 関根誠子 風光るひかりて人を浚ひゆく 同上 雪代の行方あはうみ余呉の湖 依田善朗 百年に一つ歳とる雛かな 同上 紙雛匣開け直し納めけり 同上 みづうみの残照へゆく春の鴨 名取里美 類題を嵩より探す寒灯 鶴岡加苗 底冷の床…

日光

翳りても曇らざりけり春の水西村和子 春の川奏づるところ照りにけり 同上 蟻が蟻の頭乗り越え穴を出づ 深見けん二 先生は何時もはるかや虚子忌来る 同上 ゆく春や青鮫の声譜に移す 佐怒賀正美 滝桜この世は江戸の彼岸かな 同上 春暁やいつまで回る水車 柿本…

夕顔の音だったのか声だったのか 池田澄子 若芝に影とならざるものもあり 星野高士 輪をゆらし大きな石鹸玉つくる山西雅子 がらがらと山崩しては栄螺選る 南うみを 夏来る榛名十峰色たがへ 木暮陶句郞 どつしりと尻をつけたる菖蒲風呂 仙田洋子