愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2022-09-21から1日間の記事一覧

尾崎紅葉 『秋の声発刊之文』

俳諧久しく衰へたりと雖、人間は恋無常の古の哀を尽し、地は山水生植の姿を今に改めず、天象は二句より万世に続きて、月は定座を長へに、春は長閑に霞み、秋は寂しう雨降る夕、斯道の好(き)人ども聴雨の燈下に会して、乱吟の仮初に戯れしも、彼は風調のを…

 正岡子規

ただ古今にわたり東西に通じて一点の相違なき者は人情なり。*1 *1:獺祭書屋俳話「女流と俳句」より

芭蕉雑談 正岡子規

一人にして二百の多きに及ぶ者古来稀なるところにして、芭蕉叉一大文学者たるを失はず。 芭蕉の文学は古を模倣せしにあらずして自ら発明せしなり。貞門、檀林の俳諧を改良せりと謂はんよりは寧ろ蕉風を創開せりと謂ふの妥当なるを覚ゆるなり。而して其の自流…