新しき仏壇買ひに行きしまま行方不明のおとうとと鳥
空はまだ明けきってはいなかった。通りに面した倉庫の横に枝を大きく広げた丈高い夏ふようの木があった。花はまだ咲いてなかった。毎年夏近くに、その木には白い花が咲き、昼でも夜でもその周囲にくると白の色とにおいに人を染めた
紀州熊野に行くたびに、私は何物かの強力な力によってあの岩とこの岩が2つに裂かれたと思う他ないごつごつした岩肌を見る。いや、強い陽の光を受けて光が緑の葉に当り、それがこぼれ落ちているのではなく、光が草の葉の内側からじくじくとにじみ出てくるの…
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