『イマジン』は上野犀行の第1句集。序:水田光雄。
『イマジン』だが、印象は『ジョンの魂』
処女句集=ソロ1作目
ポートレイトであること
ロックンロールとは、悲しみをあくまで元気に歌う音楽であること
など共通する点が多い。
15句抄
さざなみのゆきつくところよりこほる
手のひらに蛍を夜風ごと掬ふ
夜空より下がるおほきなハンモック
命日を歩いて少し日焼せり
金網の目のひし形や天高し
秋天へ向きて水飲場の蛇口
カウンターバーに大きな夏帽子
飛び跳ねてバレンタインの日の音符
中年われらレノン忌の寒昴
紫禁城より氷面鏡広ごれり
夢を売るしごとの名刺つちふれり
バラードの声かすれたる西日中
からつぽの空へ打ちたる花火かな
リフトより押し出されゆく夏野かな
ひと息に飲みてラムネの瓶返す
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。