愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

苜蓿

打ち方を教へて打たれ水鉄砲 横山喜三郎

炎天を来て半熟になつてをり 越前春生

今日の分全て注いでゆく西日 松井勉

寒がりの最期は菊の厚布団 長谷川洋児

熱燗を今日咜りたる部下に注ぐ 清水呑舟

先輩を渾名で覚え新社員 高田敏男

御慶述ぶインターホンに一礼し 柳紅生

黙祷に蝉従はず沖縄忌 金澤健

花曇肩もみ券も棺に入れ 柳紅生

氷柱の本懐消えてしまうこと 柳村光寛


f:id:inamorato:20220514143825j:image
f:id:inamorato:20220514143824j:image