2022-08-27 ■ 俳句 わが言へば妻が言ひ消す鉦叩加藤楸邨 書いてゆくひとつのことに鉦叩 中村汀女 いねがての潮騒のなか鉦叩 佐野まもる きりぎりす潮よりしづかなるはなし 山口誓子 子らとまたながき八月きりぎりす 百合山羽公 はたはたに影及ぼせば飛びにけり 中村草田男 秋の蚊の子をなさぬ血は薄からむ佐野美智 秋の蜂影と別れて去りにけり 右城暮石 秋の蜂やすらひし辺の濡れてをり 能村登四郎 瀬をのぼるうすきひかりの秋蛍 石原八束