『青き方舟』は山田牧の第二句集。 跋 角谷昌子 「磁石」同人、俳人協会会員。15句抄。
水槽は夜空に似たり海月浮く
りんご飴丸々光る夜店かな
盆踊半円闇に包まるる
転ぶ人見て転びたりスケート場
鼻歌のさび繰り返す菜飯かな
春雨やするりと分けて黄身白身
降りだしの雨筋ほそし草の花
一点に一人時雨の美術館
花冷の出汁の匂ひの暖簾かな
図書館に探す横顔夏の雨
家中の音無き真昼白木槿
花野ゆく時折風に譲りつつ
明け方の夢の輪郭額の花
兄弟の頬に畳目昼寝覚
本著は著書より寄贈を受けました。記して感謝致します。