愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

七種粥


f:id:inamorato:20230107081143j:image
f:id:inamorato:20230107081149j:image

親猫はずつしり重し冬ごもり 日野草城

冬籠なべて妻子にさからはず 金子星零子

スキー穿く旗風天に鳴りやまず 中島斌雄

直立のスキーに手掛け立ち憩ふ 山口誓子

 

疵癒えて指先の忘らるる冬ごもり 正木浩一

錐もめば錐に寒灯のぼりくる北光星

常闇を火の渡り居る懐炉かな 小杉余子

他郷にて懐炉しだいにあたたかし 桂信子

半生も過ぐ湯たんぽに足のせて 伊丹三樹彦

 

スケートの暁紅の影走りいづ 中村信一

スケート場海光の青の窓を嵌む石田波郷