『雲は友』は岸本尚毅の第六句集。「天為」「秀」同人。十五句抄。
誰か居る虫の闇なるぶらんこに
打ち打ちて皆みまかりし砧かな
風は歌雲は友なる墓洗ふ
くつきりと黒々と皆秋の暮
行く道は帰る道なり芋嵐
風向きの海へ煙や焼藷屋
月蝕は月を生みつつ浮寝鳥
髭胸毛ゆたかに達磨冬の雲
榾といふ榾の炎のつながれる
地酒の名聞いて忘れて燗熱く
鳥影の瓦に早し玉椿
絵の外に我立つてゐる涅槃かな
眠りつつ舌なめづりをして子猫
夜の花のその枝長し雲に沿ふ
水の辺に水を供へし川施餓鬼
『雲は友』は岸本尚毅の第六句集。「天為」「秀」同人。十五句抄。
誰か居る虫の闇なるぶらんこに
打ち打ちて皆みまかりし砧かな
風は歌雲は友なる墓洗ふ
くつきりと黒々と皆秋の暮
行く道は帰る道なり芋嵐
風向きの海へ煙や焼藷屋
月蝕は月を生みつつ浮寝鳥
髭胸毛ゆたかに達磨冬の雲
榾といふ榾の炎のつながれる
地酒の名聞いて忘れて燗熱く
鳥影の瓦に早し玉椿
絵の外に我立つてゐる涅槃かな
眠りつつ舌なめづりをして子猫
夜の花のその枝長し雲に沿ふ
水の辺に水を供へし川施餓鬼