2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧
踊り子と舞踏をどうして切り離しえようか。
最初の言語は比喩的でなければならなかった。
にぎやかに盆花濡るる嶽のもと 飯田蛇笏 脳味噌をたたらふむなり風邪の神 阿波野青畝 ほうたるの草を離れて遊行かな 京極杞陽 杖とめて光陰花とわれのひま 皆吉爽雨 水澄みて水澄みて人新たなり 星野立子 墜ちてゆく 炎ゆる夕日を股挟み 三橋鷹女 花の雲抜く…
切株のどこに触れても暖かし 行川行人 懐手海に出ぬ日は海を見て 矢須恵由 鳥つるむ直立こそを樹のかたち 岩永佐保 うしほ濃き午後の海峡つばくらめ 同上
東の空は冬のゼラニウムの色に染まった。
大景は大志を育てる
京女花に狂はぬ罪深し 高浜虚子
原文 (書き下し文) 勧君金屈巵 君きみに勧すすむ 金屈巵きんくつし 満酌不須辞 満酌まんしゃく 辞じするを須もちいず 花発多風雨 花はな発ひらけば 風雨ふうう多おおし 人生足別離 人生じんせい 別離べつり足たる 井伏鱒二と「サヨナラだけが人生だ」(勧…
雨が すきか わたしはすきだ うたを うたわう
岬にはむらさきふかき神います扇一揆の雪のあけぼの
大悪人虚子忌の椿まくれなうい角谷昌子
顔とは僕らがまだその実体を把握できていない魂の仮面である
翼ある陽射しよ受胎告知の日 本多燐 寒中はマスクの息をととのへる 宇多喜代子 立春の噂話に日が射して同上 どこまでも蒼天つづく二月かな 同上 寝付くまで蛙の国の端にをり 若井新一 浮雲に触れむばかりの花辛夷 同上
グランド・ティートンズ
うすうすと晩年揺らす春夕焼 久行保德 日を返す棹や近江の春の水 安原溪游
枯蘆の水に映りて影も枯る 名和未知男 向き合うて茶を摘む音を立つるのみ 皆吉爽雨
洩るる音のみな柔らかく秋簾 丹羽啓子 花火師の起居闇より濃かりけり 村上絢子 病蚕の虚空に糸を吐くしぐさ 萩庭一幹 川面に灯の揺れはじむ夕桜 長田輝男 白樺の間に無音の結氷湖 伊藤厚子 俎に色染むるまで刻む芹 高柳満子 晩年の命なほ濃し針始 中山朝子 …
『航路』は小野恵美子の第五句集。馬醉木同人。15句抄。俳人協会幹事。本著は著者よりご恵贈賜りました。記して御礼申し上げます。 白南風の帆やふるさととなす他郷 好晴の画布のうちそと落葉降る 邂逅の大き手套につつまれぬ 独り居も佳しや六日の菖蒲風…
『飛英』は片山由美子の第六句集。香雨主宰。 15句抄。俳人協会常務理事。本著は著者よりご恵贈賜りました。記して御礼申し上げます。 八月や花はひかりを引いて落ち 頷いてゐてうべなはず胡桃割る きしむまで神輿締め上げ豊の秋 帆を張るがごとくに幟浦祭…
木瓜を見てをれば近づきくる如し 石田波郷 わがまへに木瓜燃えたてりわが性も 加藤かけい 木瓜の雨ほのかに鯉の朱もうかぶ 水原秋櫻子
光は暗闇の中でこそ輝く