2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧
二人デ居タレドマダ淋シ、 一人ニナツタラナホ淋シ、 シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、 シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。
Alone together Alone with each other Alone in each other
Where I am,I don't know,I'll never know,in the silence you don't know,You must go on,I can't go on,I'll go on.
鳥声を呑んで地にあり春の雲 加藤暁台
まいにち まいにち 私の胸まで来て啼いてゐた ふくろうよー あれはとうさんではなかつたらうか
ひばりのす みつけた まだたれも知らない あそこだ 水車小屋のわき しんりょうしょの赤い屋根のみえる あのむぎばたけだ ちいさいたまごが五つならんでいる まだたれにもいわない
孤獨 田舎の白つぽい道ばたで、 つかれた馬のこころが、 ひからびた日向の草をみつめて居る、 ななめに、しのしのとほそくもえる、 ふるへるさびしい草をみつめる。 田舎のさびしい日向に立つて、 おまへは何を覗いて居るのか、 ふるへる、わたしの孤獨のた…
『式日』は安里琉太の第一句集。「群青」「滸」同人。十五句抄。 悴みて水源はときじくの碧 古巣見てきて雲のおもての暮れすすむ 山霧の粒立つて日に流れをり はんざきはみづを匿ひ十二月 涼しさや石より雲の彫り出され さざなみにプールの晴れてきたりけり …
あふむけば口いつぱいにはる日かな 夏目成美 桶の尻干したる垣に春日かな 夏目漱石 大仏の俯向き在す春日かな 松本たかし 水底にゆく水うつる春日かな 大谷句仏 一人づつすれちがひゆく春日かな 久保田万太郎 ほろ苦き恋の味なり蕗の薹 杉田久女
何思ふとなく冬夕焼の坂の上 木下夕爾 スケートや右に左に影なげて 鈴木花蓑
青霧にわが眼ともして何待つや 藤田湘子
粕汁や裏窓にある波頭 千田一路 農鳥の翔らんとして大浅間 伊東肇 わが十指われにかしづく寒の入 岡本眸 白絹のつめたさを縫ひ冬あたらし 能村登四郎 寒流として天竜も伏し流る 百合山羽公
2018年の仕事の6割以上は、1940年には存在していなかつた
『雲は友』は岸本尚毅の第六句集。「天為」「秀」同人。十五句抄。 誰か居る虫の闇なるぶらんこに 打ち打ちて皆みまかりし砧かな 風は歌雲は友なる墓洗ふ くつきりと黒々と皆秋の暮 行く道は帰る道なり芋嵐 風向きの海へ煙や焼藷屋 月蝕は月を生みつつ浮寝鳥…
スケートの汗ばみし顏なほ廻る 橋本多佳子 綿入の袖口そろふ火鉢かな 篠原梵