『枯野』は伊藤強一の第一句集。「海光」同人。序・林誠司。十五句抄。 永き日や遠く聞こえるかくれんぼ 膨らんだ麒麟の鼻や夏来る 梅雨明けや平均台のバック転 耳そば立てて白シャツの調律師 十一月クルスに白き日のひかり 指先のあまる手袋咬んで脱ぐ 海鞘…
春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ 前川佐美雄
人を苦しめるのは大好きですよ、奥さんは 美しい方にありがちな趣味ですわ また、美しい方にだけしか似合わない趣味でしてね、これが
人の死や春ゆく水に月のかげ 飯田蛇笏 春の闇渚も音をおさめけり 田村木国 雪降りし後の寒さや浅蜊汁 増田龍雨 雨やどりやがて立ちゆく遍路かな 清原枴童
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