2024-01-01 晦日蕎麦 詩 金星から見ると この地球は どんなふうに見えるのだろう やはり空のなかほどに一つだけ 凍りつくようにふるえているのか 身内の闇をもゆり動かす星の瞬きは 孤独な天体同士が交わす通信だろうか 心のうちにバッハのオルガン曲が流れ 小川のせせらぎに水草がゆらぐ映像が 網膜のスクリーンにくりかえし浮かぶ 風は地面からしずかに湧き起こり 麦畑をまっすぐに吹き分けていく 高柳誠