愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2024-02-11から1日間の記事一覧

羽鳥湖

ゆらゆらと地球へしだれ桜かな 松尾隆信 花ふぶく夜の鼓動に眠り得ず 角川春樹 花吹雪すなはち詩歌ふぶきけり 小島健 名月の大きく山を離れけり 三原白鴉 猫の子に登校の列丸くなる 森田千枝子 天の川真夜黒潮とゆれかはす 渡辺恭子

竹 萩原朔太郎

ますぐなるもの地面に生え、 するどき青きもの地面に生え、 凍れる冬をつらぬきて、 そのみどり葉光る朝の空路に、 なみだたれ、 なみだをたれ、 いまはや懴悔をはれる肩の上より、 けぶれる竹の根はひろごり、 するどき青きもの地面に生え。