愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

『俳句の音韻について 母音を中心として』 渡邉建彦 を読む

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「かつらぎ」同人。

元医学部教授。

の第一評論集。

 

10万句にわたる俳句の分析が素晴らしい。

俳人がおそらくそうかもしれないなと思っていることを、数字及び分析をもって明確に提示したことが大変有意義。

さらに俳響点という概念の提案は新たな視座を俳壇に提供するもの。

p83のB法については、離れて繰り返しが存在していても、「頭韻」(上五頭・中七頭・下五頭の母音あるいはバイグラム)または「脚韻」(上五末・中七末・下五末の母音あるいはバイグラム)は意味が有るのでは無いかと思う。

これも別の観点でCなどとして評価し、一定の評価点の配分を検討してみても面白いのではないか。

データ集のみならず、俳句史を踏まえての立体的な検討が読んでみたい。