愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

たかんな2023年4月号

初泣きに皆返事せり大家族 中村静江

陽を入れて脈打つごとく春の水 高田栄子

なまはげの自動ドアより現るる 嶋広一

寒林を抜けたましひを置き去りに 松倉妙子

跳ねるよな足どりの子ら氷踏む 片山静子

母の死をうべなつてゆく夜の秋 吉田千嘉子