愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

紫陽花 毛虫


f:id:inamorato:20230614151042j:image
f:id:inamorato:20230614151046j:image

夏氷挽ききりし音地にのこる 山口誓子

白玉やきいてはかなき事ばかり 篠田悌二郎

持ち古りし夫婦の箸や冷奴 久保田万太郎

鮨押すや折れむばかりに母は老湯山田みづえ

濡れて来し少女が匂ふ巴里祭 能村登四郎

河童忌の水滴しづむ泉あり 水原秋櫻子

鉾曳の大きわだちに寄り憩ふ 皆吉爽雨

雑踏の夜空に白き祇園鉾 福田蓼汀