愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2021-12-05から1日間の記事一覧

雪沓

鮎焼の炉辺の雪沓美しき「前田普羅 雪沓を買ふには空の青すぎて加藤楸邨」 新しき雪沓なればあたたかし石田峰雪 雪沓の喜ぶ雪の深さあり 後藤比奈夫 ついて来る子の雪沓も鳴りにけり 黒木野雨

煮凝

煮凝やいつも胸には風の音 石原八束 煮凝や父ありし日の宵に似て 草間時彦 煮凝やにぎやかに星移り居る 原裕 煮凝やいのち重しとつぶやくも 角川春樹

夜鷹蕎麦・河豚鍋・葱鮪・鯨鍋・狸汁

灯のもとに霧のたまるや夜泣蕎麦 太田鴻村 夜鷹蕎麦来て足早に刻が過ぐ 古賀まり子 鍋焼の火をとろくして語るかな 尾崎紅葉 鍋焼ときめて暖簾をくぐり入る 西山泊雲 逢はぬ恋おもひ切る夜やふぐと汁 与謝蕪村 てつちりと読ませて灯り居るところ 阿波野青畝 …