愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2024-03-17から1日間の記事一覧

西原裕美 心待ち

降れば これは新しい場所 小さな粒を初めて見て 一つ一つが 違っていることに気づいたの 重さも軽さも 落ちてく角度も 異なって ずうっと待っていた 足がうずうずするぐらい 空ばかりを眺めて 手放したものと 手に入れたものを思いました。

西原裕美 アラマンダ

初めて 気が付いた 何年もあなたが 痩せた身体と 猫っ毛な髪のまま ここに居たこと ・・・ 誰もいないと思った世界に あなたが居たんだって事実が 歯の奥が緩んで 初めて殺される夢を見なくなるぐらい 言いたくない さようならを言って まだ愛しているし、ま…

吉野弘

花が咲いている すぐ近くまで 虻の姿をした他者が 光をまとって飛んできている 私も あるとき 誰かのための虻だったろう あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない