愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

西原裕美 アラマンダ

初めて

気が付いた

何年もあなたが

痩せた身体と

猫っ毛な髪のまま

ここに居たこと

 

・・・

 

誰もいないと思った世界に

あなたが居たんだって事実が

歯の奥が緩んで

初めて殺される夢を見なくなるぐらい

 

言いたくない

さようならを言って

まだ愛しているし、まだ愛していてくれている

それだけでは

朽ちていくだけで

 

確信を手に入れたから

気づけば

私は全てを手放しても立てることに

初めて笑顔になれた

地面や頭、それに空が一蹴されるほど

革命

 

・・・

 

夕焼けに

黄色い

アラマンダ

咲き誇っていた