『光響』は根岸善雄の第四句集。「馬酔木」同人。十五句抄。
蒼天のひかり聚めて冬桜
ひつじ雲うさぎ雲草笛欲しや
かぎりなく柳絮睡りの中を飛ぶ
梅雨穂草水より淡きゆふべ来る
湿原の天眩しめば鶴鳴けり
たまきはる螢火の燃え尽きざるや
碧潭の底まで透くる鵙日和
鱏の背に銛創しるし朝曇
月代の牧に邯鄲こゑ湧ける
山月に霧氷のひかり響きあふ
大鷹のかげ落しゆく結氷湖
冬滝の細りて勁し夕月夜
鹿渉りゆく月明の結氷湖
落葉松のかげ靠れあふ深雪晴
雪林におのが踏みあとのみの径
『光響』は根岸善雄の第四句集。「馬酔木」同人。十五句抄。
蒼天のひかり聚めて冬桜
ひつじ雲うさぎ雲草笛欲しや
かぎりなく柳絮睡りの中を飛ぶ
梅雨穂草水より淡きゆふべ来る
湿原の天眩しめば鶴鳴けり
たまきはる螢火の燃え尽きざるや
碧潭の底まで透くる鵙日和
鱏の背に銛創しるし朝曇
月代の牧に邯鄲こゑ湧ける
山月に霧氷のひかり響きあふ
大鷹のかげ落しゆく結氷湖
冬滝の細りて勁し夕月夜
鹿渉りゆく月明の結氷湖
落葉松のかげ靠れあふ深雪晴
雪林におのが踏みあとのみの径