愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2023-09-17から1日間の記事一覧

根岸善雄『光響』(角川学芸出版、2011年)を読む

『光響』は根岸善雄の第四句集。「馬酔木」同人。十五句抄。 蒼天のひかり聚めて冬桜 ひつじ雲うさぎ雲草笛欲しや かぎりなく柳絮睡りの中を飛ぶ 梅雨穂草水より淡きゆふべ来る 湿原の天眩しめば鶴鳴けり たまきはる螢火の燃え尽きざるや 碧潭の底まで透くる…

伊香保

蒼穹を鵙ほしいまま曼珠沙華 川端茅舎 日暮るるや空のはてより秋の汐正岡子規 海女深く息づく秋の潮かな 潁原退蔵 刈込みし山美しや小鳥網 松本たかし