愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2023-11-01から1日間の記事一覧

残菊

囀や朝空に甲斐駒ヶ岳 嶺治雄 花の雲きりんの首が見えにけり 同上 鶺鴒の波音叩く別れかな 同上 菊を焚くけむりの折れてまたのぼる 宮津昭彦 山茱萸に日差しが咲いて妻の留守 同上 雪代山女湖底の村の上泳ぐ 同上 駒草の震へむとしてやみにけり 同上 ビアホ…

水澄む

例えば画家が絵を描くのは物を見て感動するからだ。生活のためということは別にして、感動がなければ描かないだろう。 かつて梅原龍三郎は富士山を見て感動し、傍らで画を描いている友人に、「もっと大きく富士を描け」と言ったそうだ。そしてその友人が稲を…

嘘にウソ塗り固めれば影よりも闇より黒い躰と心