愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2023-11-19から1日間の記事一覧

八頭

寺々の中に家ある干菜かな 岡本松浜 聖樹灯り水のごとくに月夜かな 飯田蛇笏 暮れ暮れて餅を木霊の侘び寝かな 松尾芭蕉 冬休とどろに波のひびくなり 久保田万太郎 卵一つポケットの手にクリスマス 西東三鬼 氷魚痩せて月の雫と解けぬべし 正岡子規 初雪やか…

西嶋あさ子『瀝』(瀝の会、2018年)を読む

『瀝』は西嶋あさ子の第五句集。俳人協会顧問。「瀝」代表。十五句抄。 蓮根の穴九つの淑気かな 丹後より丑紅買ひに雪女 降る雪やすぐ香に立ちて胡麻油 降るほどの星をいただき枯木宿 宝恵籠に乗りたやひよいと恋したや 仰向くは燃え立つばかり落椿 花烏賊の…