愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2024-03-15から1日間の記事一覧

片岡真伊『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題』(中央公論新社、2024年)を読む

ぐいぐいと読まされた。もともと好きな小説ばかりであったというのは、私の場合、大きいかもしれない。 ・優れた総論が置かれていて、これから始まる各論が素晴らしいものであることを予感させる。問題提起が素晴らしいということは、問題の把握が十分なる思…

ゲーテ ひとつの譬喩

このあいだわたしは牧場から花束を摘んできた、 だいじに家にもちかえったが 手のぬくみで 花はみなぐったりと萎れていた。 けれどそれを爽やかな水をたたえたコップに挿すと なんという奇蹟! 花々は頭をもたげ 茎や葉は緑にかがやき どこもかも力みなぎり…