愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

ゲーテ ひとつの譬喩

 

このあいだわたしは牧場から花束を摘んできた、

だいじに家にもちかえったが

手のぬくみで

花はみなぐったりと萎れていた。

けれどそれを爽やかな水をたたえたコップに挿すと

なんという奇蹟!

花々は頭をもたげ

茎や葉は緑にかがやき

どこもかも力みなぎり美しく

いまも母なる大地にはぐくまれているよう。

 

ちょうどそんな感じがした、

わたしの歌がうつくしく

他国のことばに訳されて 朗読されるのを

聴いたとき。