愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

會津八一


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雨含む風や晩夏のたなごころ 中西夕紀

苔の階苔の畳や霧のぼる 同上

どの水も千曲に注ぎ青田波 同上

よしきりや佐久の平の水勁し 原雅子

ひらけば地図に霧の流れて山国は 同上

芳名の失せてゆくなり油照 仲寒蟬

百日紅いくつも過ぎてふるさとへ 同上

鮎釣のたまさか動くとき光る 同上

炎昼をつらぬく橋の長きこと 同上

街道の涼しき樟の太さかな しなだしん

わが影を足す楼門の片かげり 同上

縁側にぺたんと座る緑雨かな 土肥あき子

鐘涼し尾のながながと狐雨 同上