2023-10-29 天保三大家(櫻井梅室・成田蒼虬・田川鳳朗)を読む 俳句 十五句抄。 櫻井梅室 塵ほどに鳶舞上る卯月かな 水底の草も花さく卯月かな 椀の湯気額のゆげや納豆汁 亀の尾のみじかく歳は暮にけり 成田蒼虬 ひと雫するや朝日の福寿草 人ひとり田中にたちてけさの秋 羽をこぼす梢の鳶や小六月 橋筋は夜の賑ふしぐれかな 田川鳳朗 跡もどりして宿かるや麦の秋 深山木の底に水澄む五月かな 薄月やすれあふ人に風薫る 踊子や顔月になり闇になり はつ冬の山々同じ高さかな 剣うつ槌のひびきや軒の霜 行水のゆくにまかせて冬至かな