『俳句で巡る日本の樹木50選』は広渡敬雄の著書。俳人協会幹事。「沖」同人。
「最近の俳句では、樹木も含めた自然が詠まれることが少なくなった。吾々は少しでも自然に眼を向け、その一員であることを自覚し、その素晴らしさとともに恐ろしさも知るべきだと思う。」(あとがきより)
10句抄
山毛欅の生む一滴の水春の鹿
空かたき十一月のポプラ見よ
一位の実さらに小さき掌にわたす
燕低し海にかぶさる醤油蔵
遊園地より絶叫と青嵐
椴松や熊の爪痕鋭く深く
鵲の尾のぴりぴりと初御空
大海亀空のかなたに去りにけり
星飛びし空に影富士ありにけり
*本著は著者よりご恵贈を賜りました。記して御礼申し上げます。