愛ね、暗いね。

あるいは小さな夜の曲

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

西脇順三郎 旅人かへらず

草の実の ころがる 水たまりに うつる 枯れ茎のまがり 淋しき人の去る

弓張月

降りてくる春の帽子を押さえつつ 黛まどか祈るべき天とおもえど天の病む 石牟礼道子

藤田湘子 私詩からの脱出 s45.4俳句

伝統とは、受け継いだ遺産の上に、その時代の新しい息吹をつぎこんで、時代の要請に応え得るいとなみだ

俳諧大要 正岡子規

空想と写実と合同して一種非🈳非実の大文学を製出せざるべからず

アンナ カレーニナ トルストイ

少し持ちこたへて、弾ける。その泡は私だ。

秀作の秘密 飯田龍太 昭和42年4月23日毎日新聞

いちばん大切なことは、じょうずな俳句を作る方法はあるが、立派な俳句の作り方は教わりようがないということ。 それをみずからのこころの中に捜し求めているひと。そのひとが、俳句の秘密を知った人だ

十口抄 宗祇

凡そ歌人と云は、ただ情欲を離れ、心を空虚にもちて、いささかも執をとどめざらんことなり。されば歌人たらんは人は、花に対して花を見、月に望みては月をあはれみ、当一念一念の風景をあはれみて、二念ヲとどめざるべきなり。ただ歌人は、儚きを下とすべき…

徒然草 第百五十五段 兼好法師

四季はなほ定まれるついであり。死期はついでをまたず。死は前よりしも来らず、かねて後に迫れり。人皆死あることを知りて、まつこと、しかも急ならざるに、覚えずして来る、沖の干潟の遥かなれども、磯より潮の満つるが如し

佐藤鬼房「俳句の風土性にふれて」s38.3俳句

風土というものは、人間のあるかぎり、歴史的な時間性がかかわってあるものだ。私にとって、風土は人間の生成する地盤のあらゆるものを指したい。 俳句も風土や歴史を除外しては考えられない。 歴史的な、人間的な地盤の絡み合う風土が詠われてもよいと思う…

上弦の二

徘徊の母を日傘に包み込む 江藤隆刀庵 雪がふるおとぎ話をするやうに 赤繁忠宏 空也の声空也を離れ陽炎へる 岩本茂

三日月ロック

雲は雪の芯となりゆき昼灯す 安藤喜久女